シナプスの笑い Vol.2
NPO法人精神をつなぐラグーナの活動の中での最初の雑誌となりました。
戦災地や紛争地の子供たちにアートやエンターテイメントを通してこころの手助けをしようと活動しているNGO「国境なきアーティストたち」。その代表エクトル・シエラ氏とおこなった座談会の前半を掲載しました。文化の違いによりしあわせの定義も異なってくることが浮き彫りにされます。
「医療の現場から」では、精神科医がストレスと上手く付き合っていく方法を解説します。心の中に「ストレスが入ってくる浴槽」があると仮定すれば対処法を考えやすいことがわかります。
「ノンフィクション精神科事典体験者版」の連載がスタート。実体験をもとに医療の言葉を再定義する試みが始まりました。
A5判(148×210ミリ)
128頁
定価 (本体648円+税)
ISBN 1883-0374
2006年7月26日発行
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https://lagunajapan.official.ec/items/38597142
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内 容
特集
「心の平和」
「NGO国境なきアーティスト」のエクトル・シエラさんを招いて座談会を行った。
「幻聴はうらやましい。作家としてのインスピレーションになる」と、幻聴と芸術性の関連について語っている。
医療の現場から
「ストレス対処法」
精神科医 土井斉先生に執筆を依頼。ストレスを「浴槽にたまる水」のたとえで、とてもわかりやすい説明を加えている。
「ノンフィクション精神科用語辞典」
当号より連載がスタート。体験者自身が医療の言葉を定義していく企画。体験者ならではの発想がちりばめられている。
連載・投稿
「字形から見る-精神分裂病から統合失調症へ-、「シナプスの笑い」の「笑」について」
平成14年、「精神分裂病から統合失調症へ」病名変更。漢字の響きが病気に対する偏見を作り上げてきた感が否めない。文字文化研究所の副所長山本史也氏が漢字の語源からその変遷を解説。メタファーとしての病を鋭く読み解いていく。
また、病気の回復の重要なしるしである「笑い」についても解説。古代人にとって笑いとは何だったのか?古代人の生活様式にも踏み込んだ解説を掲載。
「もげた蓮の羽根」
20歳の女性がデビュー。男女のほろ苦い出会いと別れを繊細に表現している。
「南の島の歌詞」
与論島から島を歌った歌詞が届く。心の奥底にある大切な部分に響く内容になっている。
投稿作品解説
作品名:作品名:「ノンフィクション精神科辞典」
7名の精神障害体験者、2名の医療関係者と会議を行い、精神科用語辞典がスタート。雑誌に載せるという思いから、話し合いは楽しいものになりました。皆が精神科について想っていることを吐露する形になっており、ちょっとこの内容は違うのではないかという批判をかわしながら内容をまとめました。精神科の生活がよくわかり、体験者の気持ちが伝わる内容になっていると思います。
目 次
投稿作品
絵画:将来を考えるとき(渡邊啓介)/ THE REIGING WATER(Marr)
詩:僕が投げたボール / しあわせ(Marr)
絵画:ANTHEAP(Marr) / バランス / Color,Rhythm,Dance(坂元ミツエ)
第1部 連載作品
小説:「霊界大戦」(竜人)/ 「たぎり」(島原保) / 「もげた蓮の羽根」 / 「待っていて」 / 「無題」(kumo.)
エッセイ:ストレスって何色 / 当事者って何者? / 精神病を知ってる? / Dカップかな(田中研一)
詩:悪霊/不幸について/誰かが居る/タバコ(ウナム)
第2部 特集
こころの平和 紛争地を駆けめぐる エクトル・シエラ氏を迎えて
こころの平和(森越まや)
座談会:しあわせって?
詩:ただいま/こどもの え(エクトル・シエラ)
第3部 医療の現場から
ストレスと上手くつきあっていくには?(土井斉) / 体験者が答えます お笑いお悩み相談室 / ノンフィクション精神科用語辞典 あ 体験者版]
第4部 投稿作品
字解-精神分裂病から統合失調症へ-/-「笑」について(山本史也)
歌詞:砂浜と太陽と波の音しか聞こえない島/赤い星砂のサンタクロース/ふと思い出す庭先のサクラ/誰かを追い求めた10年(香深マクトゥ)
俳句:自然(池ノ上弘)
川柳:(烏滑稽)
自伝:主人の他界について(マリア)
短篇小説:「悪魔」(ウナム)