イタリア地域精神医療の思想と実践 -患者・家族・支援者は語る-
イタリア地域精神医療の現在を照らし出す50人の語り。
精神科病院を廃絶し、治療の場を病院から地域へ移行したバザーリア法から約半世紀。イタリア精神医療は何を求めて変わり続けているのか?
29万人の入院患者を抱える日本で精神科医として働く著者が、イタリア地域精神医療の現場を丹念に訪ね、日本の精神医療の可能性を探る。
森越まや著 四六判 332頁 ISBN 978-4-910372-25-9 C3047 定価2,970円(本体2,700円)2022年11月28日刊行
本書の特徴
▶地域精神医療ネットワーク(病院、行政、学校、警察、居住、就労)の現場で取材。
▶スタッフとして働く患者と家族、医師、看護師、作業療法士、ケースワーカー、心理士、警察官、行政担当者、市民ボランティアなど50名にインタビュー。
▶信頼と希望に基づく精神医学的アプローチがわかる。
▶イタリアから日本へのメッセージを掲載。
目次より
序章 日本とイタリアの治療文化
第1部 イタリア精神保健医療の歴史と制度
第1章 イタリア精神医療と国民保健サービス
第2章 イタリア精神医療の歴史と治療思想 バザーリアを中心に
第2部 バザーリア思想の実践者たち
第3章 トリエステ/第4章 トレント
第3部 イタリア地域精神医療の最前線
第5章 医療の現場/第6章 市民としてともに暮らす/第7章 ファーレ・アッシエーメ
終章 これまでの旅、これからの旅
著者プロフィール
森越まや(もりこし・まや)
1960年鹿児島生まれ。埼玉医科大学卒。精神科医。東京、沖縄、鹿児島で精神科病院に勤務。2006年、患者とともに地域に出て、就労継続支援A型事業所(株)ラグーナ出版を設立。2016年7月、ラグーナ診療所を設立。編集に『中井久夫と考える患者シリーズ全4巻』、『中井久夫講演録統合失調症の過去・現在・未来』(ともにラグーナ出版)などがある。