障がい福祉の学ぶ働く暮らすを変えた5人のビジネス
障がい福祉の常識をくつがえす5人のストーリーと夢計画
障がい者雇用促進法の追い風もあり、精神障がい者や知的障がい者が社会で働く機会は以前より増えている。しかし社会は障がい者の労働力を、ボランティア精神からではなく、真に有効な戦力として活用できているだろうか?まだまだ模索は続いている。
本書では、障がい者就労を取り巻く環境に新風を巻き起こし、障がい福祉を事業で革新した5人の経営者のビジネス展開と、それを支える経営哲学を紹介する。
障がい者に高等教育の場を提供し、就職を含めた人生の可能性を広げている社会福祉法人、障害者が無理なく働ける環境を整え、成長を待つことで理想的な経営を実現しているデザイン会社、障がい者が社会で安心して暮らせるように設立された障がい者対象の保険会社、障がい者に合わせて業務の切り出しをして、値段の高い胡蝶蘭の売上を伸ばし続けるNPO法人、そして全国の障がい者施設の商品を国会議員会館で販売し、次々とヒット商品を作り出す学習障がい当事者のアイデアウーマン。
これまでの障がい福祉の常識をくつがえすヒントを、ビジネス的視点から与えてくれる5人の物語を綴る。
四六判(128×188ミリ)
144頁
定価 (本体1852円+税)
ISBN 978-4-904380-69-7 C0034
2017年11月1日発行
監修者
砂長 美ん
発達障がい(LDディスレクシア・読み書き障がい)のある障がい当事者。ありがとうショップ代表。
障がい者施設が作る商品に付加価値をつける仕事を精力的におこなう。2011年映画「DXな日々~美んちゃんの場合~」主演。2014年より国会議員会館で障がい者施設の商品の総卸を担当。全国各地の高齢化町興しと障がい者の仕事を結ぶ、見直しコンサルがとても好評。
はじめに(本文より)
(略)
自立を助けるための道を作る仕事をしたかった。
日本は、障がい者を守るため、隠して、保護のため支援する。
障がい者施設にあるような従来のイメージがあります。
ヨーロッパ特に北欧地域は、障がい者本人の自立の為の道を作る手助けをしているように感じています。
私のやりたいことは、一年に一回だけ二四時間テレビで、障がい者を注目して、
涙と感動で、募金することでもなく、
ずっとずっと、平均して継続して、
その人が出来ることを最大に生かせる生き方をお互いに提案して、
出来る限りの自己努力によって、社会とつながり、
自分としても誇りに思い、他者からも充分に認められるであろうという自負心・自尊心・自己肯定感を掴んで、
みんなが地球の一員ということを障がい者本人が自覚してもらえることが、あたりまえの社会を作りたい。
それには、当事者本人の障がい者という甘えからも脱却する必要もあります。
それには、支援する方々の守る、現状維持で十分出来ていると言う考えからも変えていかないと、と思います。
誰かが、いつかやってくれると思っても、いつかは、いつもやってきません。
周りを説得しようと大声だしても変わりませんでした。
気が付いたのは、とにかく実行。安全な日本なので、失敗しても大丈夫!
そんな気持ちで、自らの行動で、切り開いている、
前向きな近所の大好きな五人の人生のドリームインタビューを本にしました。
楽しくワクワク読んで、SNSで感想を聞かせてほしいです。
(略)
目 次
はじめに
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会・長谷川正人
1.ゆたかカレッジの運営
2.カレッジでの学生生活
3.就職
4.カレッジ構想からインクルーシブな大学を目指して
5.変えてゆく未来
有限会社まるみ・三鴨岐子
1.職場での「障がい」との出会い
2.なぜまるみでは障がいがあっても働けるのか
3.企業が考えるべきこと
4.企業に求める変化
5.働き心地の良い企業へ
ぜんち共済株式会社・榎本重秋
1.「全国知的障害者共済会」―ぜんち共済のはじまり―
2.ぜんち共済株式会社の設立
3.ビジネスとして
4.保険の適応事例
5.思いと将来のこと
NPO法人AlonAlon・那部智史
1.ラン栽培を障がい者の仕事に
2.金儲けから、社会貢献へ
3.障がい者所得倍増議連のこと
4.息子によって変わった自分
5.ビジネスで超・福祉を実現する
ありがとうショップ・砂長美ん
1.セブン・イレブンでの販売
2.自分に障がいがあるって知らなかった
3.私の生活が映画になった
4.強みに注目、美点凝視の感覚で!
5.博物館お土産センター構想
おわりに
出版にご協力いただいた方々