ファンタズマゴリア
¥1,650
満月の夜にいなり寿司を食べて、町中で迷子になるとたどり着く映画館。一生で3回までしか利用できないチケットを渡す支配人の真意とは? 他者との関係に潜む無意識を暴き出す表題作「ファンタズマゴリア」。辰(たつ)亡き後をめぐる動物たちの思惑をコミカルに描く「十二支補欠選挙」、言葉に取り憑かれた人間の実存に迫る「ホオジロザメ」。斬新な感性で、実存のあやうさを問う11編を収録
真木ダイク著 四六判並製 212頁
ISBN978-910372-41-9 C0093
定価1,650円(本体1,500円+税)
■収録作
十二支補欠選挙
カビ
ゾンビの種類別対処法
ホオジロザメ
南溟の風景
モノクロームの海辺
吐瀉物
ほら吹き鳥
養由基
芸談
人の似姿
ファンタズマゴリア
■著者プロフィール
真木ダイク(まき・だいく)
1996年、鹿児島県奄美群島に生まれる。高校卒業までの18年間を自然豊かな奄美群島で過ごし、幼少の頃より読書や創作に明け暮れる。大学進学後、人間関係に思い悩み、適応障害を患う。精神科への通院や三度の入院の結果、自身が発達障害を有していることを知り、人生を好転させるため生活改善を図る。結果、一度は途絶えた創作も可能になり、本書の制作に取り組むこととなった。現在は椎間板ヘルニアの治療のため、読書や創作を楽しみつつ療養に努めている。
鹿児島大学法文学部特任助教 鈴木優作氏 推薦!
幻想が現実を呑み込む、さながらウロボロスの環のよう
日常に亀裂を入れ、神話・史話・科学を伴い幻視される物語たち。中島敦の寓意と安部公房のシュールレアリスムを汲んだ、この妖しい世界に踏み入る読者は、夢と現実のあわいを遊歩する感覚に酔うだろう。