中井久夫と考える患者シリーズ2 統合失調症をほどく

中井久夫と考える患者シリーズ2 統合失調症をほどく

¥2,750

中井久夫と考える患者が読み解く
"症状と治療(対処)"に焦点をあてた統合失調症の手引書、第2弾!

統合失調症の経過と回復への希望をたどった第1巻『統合失調症をたどる』に続く、中井久夫のテキストを考える患者たちが読み解くシリーズ第2巻。

本書では、統合失調症の経過から症状へと視点を移し、統合失調症の診断の手がかりとなるさまざまな症状を丁寧に取り上げた。各種症状への具体的な対処について、考える患者たちが中井の治療アプローチの原則をふまえて自らの体験をもとに考えを深め、患者たちを縛る特徴的な症状をほどく鍵を見出していく。

あまり語られることのない統合失調症の奥深い体験の深淵を中井と患者がともにたどり、新たな光のもとに症状を照らしだす。

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四六判(128×188ミリ)
256頁
定価 (本体2500円+税)
ISBN 978-4-904380-53-6 C3047
2016年9月12日発行

著者・監修者

中井 久夫

1934年奈良県年生まれ。
京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。甲南大学名誉博士。精神科医。
著書に、『中井久夫著作集―精神医学の経験』全6巻別巻2(岩崎学術出版社、1984-91年)、『家族の深淵』(みすず書房、1995年、毎日出版文化賞受賞)、『統合失調症』全2巻(みすず書房、2010年)など多数。
精神医療のみならず文学、詩、絵本など幅広い分野で、英語、ギリシア語、フランス語、ドイツ語などの翻訳書がある。
2013年、文化功労者に選ばれた。

考える患者たち

ラグーナ出版編集部で働く、統合失調症のある患者たち。

本書ができるまで/森越まや(本文より)

本シリーズは、統合失調をを深く探求した精神科医中井久夫先生(以下中井)の著作を、患者と医療者がともに読み、体験から考え、対話し、新しい統合失調症像をつくりだしていく試みである。
(略)
この第二巻では、統合失調症の経過から各症状へと視点を移し、「症状とされるもの」を患者の体験と中井の推察から考察し、診断についての解説を添えた。さらに中井の治療原則をふまえて、考える患者たちが各々の症状に対する具体的な対処を記述した。
(略)

中井の推しはかる言葉に、患者たちは何度も「中井先生はどうして分かるのだろう」と口にした。例えば、統合失調症の根底にある未曾有の恐怖について、中井は「人間の限界を越えて一人放り出されるような感覚」と語った。第二章で自らの体験を書いたエピンビ(仮名)は、「心の底にもやもやとしていた病の体験が中井先生の言葉で形になり、自分でも理解ができてすっきり落ち着いた。自分の状態を主治医に伝えられるようになった」と喜んだ。患者は多くを語らず、時に誤解されることもあるが、豊かな言葉を持っている。中井の患者の内面を推しはかる記述は、考える患者たちの道標となったのだ。
(略)

今回、皆で症状を一つ一つ丹念に追ったが、患者の数だけ症状がある。中井が言うように「百パーセント統合失調症の人はいない」。いくつかの統合失調症的なものが集まり、結果として統合失調症と呼ぶ事態となるのかもしれない。心身に、生きづらさに、独特な形で影響を与えることで逆説的に統合失調症は存在しているのかもしれないとさえ考えた。
(略)

共通言語を探すことは本書の目的のひとつであるが、患者は体験したことのない者に幻覚妄想などの世界は決して理解できないことをよく知っている。その上で周囲の者が理解できないことを受け入れている。精神医療や制度が変わっても、患者が病と向き合うことは変わりがない。統合失調症を知ることが病を越える力になるのではないかという思いからはじまった編集作業であったが、私は患者から、病とか治療とかを越えた静かに生きる力を教わった。患者たちは生活のひげ根をのばし、生死にかかわる精神病の体験を越えて世に棲んでいるのだ。編集会議を通して会話が増え、休憩時間に笑い合っている姿を見ると、少しずつではあるがひげ根がのびたとうれしく思う。
表題の「ほどく」は、中井の言葉による。考える患者からの「寛解(回復)とは何でしょうか」という質問に対して、中井は、「寛解とは、自分を縛っているものがほどける、そういう感じがどこかにあると思います。僕は藤の花が山中に咲いているのを寛解と思い合わせたんです」と答えた。藤は、季節が訪れたら自然に紫色の美しい花を咲かす。古来日本では、憂うつで心が解けぬことを「結ぼれ」といったそうだ。本書を読んだ後に、心身を縛っている硬さが解かれ、美しい花のもとに寛げるようにと願っている。

目 次

本書ができるまで/森越まや

第一章 統合失調症理解と治療の手引き/中井久夫

第二章 統合失調症の経験/考える患者

第三章 診断と症状/中井久夫・考える患者

第四章 統合失調症をほどく/中井久夫・考える患者

一 「不安」と「あせり」をほどく
二 幻聴をほどく
三 妄想をほどく
四 恐怖をほどく
五 身体をほどく
六 不眠をほどく
七 疲れをほどく
八 揺り戻しをほどく
九 再発のおそれをほどく
十 孤独をほどく

中井久夫が答えるQ&A

解説 中井久夫の治療思想/星野弘

あとがき/考える患者

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